ECLAVIA


MUVEIL MAGAZINE
vol.14
AUTUMN EDITION I

金木犀の香りが立ち込め木々の葉の色どりも秋の表情へと変わりはじめました。今月のMUVEIL MAGAZINEは、AUTUMN EDITIONとして配信いたします。第1弾は「食欲の秋」。束の間の贅沢であるお茶の時間にフォーカスしました。




心身ともに浅くなりがちな呼吸のリズムを整えてくれるティータイム。お気に入りの器を愛でながら、身体に沁みるあたたかいお茶と心を溶かす甘いお菓子を想像しただけで顔がほころびます。
そんな癒しの時間を提供するお店が軽井沢にありました。その名もELEVENSES TEA ROOMS。ELEVENSESとは、イギリスの一部地域で朝の11時に取ったティータイムのこと。朝ごはんからランチまでの間に紅茶を楽しむ贅沢な習慣を蘇らせたいという願いからお店を立ち上げたショップオーナーである今泉渚さん。MUVEILテーブルウェアの撮影で使用したスコーンと紅茶をご用意していただいた彼女に今回ティータイムの楽しみ方をインタビューさせていただきました。




ティールームをオープンさせたきっかけを教えてください。



私はイギリスの北部のヨークシャーという場所に住んでいたことがあるのですが、当時のフラットからブロンテ姉妹の小説の世界そのままのヒース生茂るムーアを1時間ほど歩くと、Betty’s Tearoom という有名なティールームがあり、そこで頂く暖かいお紅茶とスコーンが何よりも好きでした。日本で紅茶というと、どうしてもホテルのアフタヌーンティーが連想されるのではないでしょうか? もちろん、そんな高級なアフタヌーンティーも素敵ですが、もう少し気楽に、美味しいお紅茶や焼き菓子が楽しめるティールームがあったらな、と思っていたらいつの間にか自分でオープンしていました。夫が料理人だったというのも大きな理由です。



高温多湿な東京ですとどうしても理想のイメージにならず、半諦めていたところにご縁があり軽井沢の物件をご紹介いただき、軽井沢とイギリスの深い関係、新緑の美しさ、降るように漂う霧、薔薇の咲き続ける気候など、ここならば!とティールームをオープンした次第です。






イギリスに在住されていた渚さんが現地で学んだアフタヌーンティーの位置づけや定義など教えていただけると嬉しいです。



私はイギリスで仕事をしていて、ワーキングクラスの生活をしていたせいか、いわゆる「アフタヌーンティー」とは正直あまりご縁がありませんでした。ただ、イギリス人とお茶のリアルな関係には触れられたのではないかと思います。イギリス人はとにかくお茶を飲みます。「こんにちは」の後は、「お茶はいかが?(Would you like a cuppa?)」です。朝一番も、ランチも、おやつの時間も、夕方も、夜寝る前も、「お茶はいかが?」です。一回、イギリスの病院で入院をしたことがあるのですが、ティーレイディと呼ばれる係の方が何かのジョークかと思うぐらいに頻繁に「お茶はいかが?」と病室やってきて驚きました。



イギリスで暮らす前は、お紅茶と聞くと、ボーンチャイナのティーポットで優雅な時間というイメージを持っていましたが、イギリスで暮らしてからはお茶の楽しみ方がより自由になったと思います。私が出会った多くのイギリス人は、ヨークシャーティーやP.G.TIPSなどの極めて庶民的なお紅茶のティーバッグをマグカップで飲んでいました。そして「これが正しいやり方だ」とティーバッグをティースプーンでギューギューと押しているのを見た時、なんだかひどく愉快な気分になったのを覚えています。そんな体験にオマージュを捧げ、ハウスブレンドの ELEVENSES TEA は、強めに出るブレックファスト系のお茶にしてあります。また、こちらはカップアンドソーサーではなく、マグカップで提供するのも密かなこだわりです。




elevenses tea roomsオリジナルの紅茶を販売されていますが、こだわったポイントを教えてください。



前の質問の答えと矛盾するようですが、イレブンシスでは、ティーバッグではなくティーリーフを販売しています。というのは、やはり丁寧に淹れたお茶の美味しさは格別だからです。ティールームでも、ティーバッグは一切使用せず、ご注文を頂いてから茶葉を抽出して一杯ずつ、丁寧に淹れています。一杯のお茶には、なんでもない時間を特別なものに変える力があると思います。



パッケージについては、イレブンシスのロゴのうさぎちゃんたちがブレンドのイメージに沿って変身しています。特に気に入っているのは、Part-Time Poet ブレンドというアールグレイのお茶なのですが(ちなみにTelevision Personality というバンドの Part-Time Punk という曲へのオマージュです)、うさぎちゃんがT.S.ELIOTの詩集を読んでいます。誰しもを詩人にしてしまう軽井沢をイメージし、詩的なインスピレーションを与えてくれるお茶を目指しました。



ご自宅でもできる美味しい紅茶の淹れ方を教えていただけると嬉しいです。




1.ティーポットにお湯を入れて温め、茶葉を入れる前にティーカップに移し、ティーカップを温めます。
2.茶葉3gあたり160ml〜180mlのお湯を注ぎ、2分半〜3分蒸らしてください。酸素をたっぷり含んだ沸騰したてのお湯を使うこと、また茶葉に直接お湯を当てないように注ぐことがポイントです。
3.ティーカップのお湯を捨て、ティーポットの中のお茶を注ぎ切ります。
茶葉によって美味しく抽出できる温度が違ったりするので、とにかく試行錯誤で一番自分が美味しいと思える淹れ方を追求してみるのも楽しみの一つかと思います。優雅ではありませんが、私たちはいつもスケールと温度計とタイマーを使っています。素敵なカップアンドソーサーを使うのも、お紅茶をさらに美味しくする魔法だと思います。





アフタヌーンティーはスコーンのイメージがあるのですが、elevensesで販売されているスコーンのこだわりポイントとおすすめの召し上がり方を教えてください。



バターと小麦粉の香りの調和、またさくさくしながらしっとりとした、歯切れの良い食感にこだわっています。ロンドンのホテルのティールームで出てくる上品で洗練された見た目と、ヨークシャーの田舎のティールームで出てくる素朴で優しい味、をイメージして作っています。
食べ方は、きちんと温めること! そして、手で半分に割り、クロテッドクリームとジャムをたっぷりつけて頂くのがおすすめです。




文学がお好きな渚さんにぜひ伺いたいのですが、紅茶を飲みながら読みたい本を一冊ご紹介いただけますか?



イギリスを代表する作家、ディケンズの『大いなる遺産』でしょうか? 主人公がくたびれ果てた時にお茶を飲むシーンが出てくるのですが、それがなんとも美味しそうなのです。また、誰かにお茶を用意してあげることはちょっとした求愛の儀式でもあるのかな、と思わせるとても素敵なシーンもあります。海外旅行に行けない今、ちょっとしたイギリスへの空想旅行が出来るかもしれません。


ご協力ありがとうございました。
ELEVENSES TEA ROOMSは、建物からお庭までどこを切り取ってもイギリスに旅行しているような気分になります。
現地に行けなくとも、ELEVENSES TEA ROOMS ONLINE SHOPにてスコーンセットや紅茶を販売しておりますので是非チェックしてみてください。



MUVEILでは、Noritakeとコラボレーションしたテーブルウェアを販売中です。癒しの時間に凛と華やぐテーブルウェアを取り入れてみては如何でしょうか。 MUVEIL×Noritakeについて詳しくはこちら
最後までお読みいただきありがとうございました。


Information
ELEVENSES TEA ROOMS
イレブンシス ティールームス
elevenses-tea.com
elevenses-tea.stores.jp
住所:長野県北佐久間郡軽井沢町発地342-2
軽井沢レイクガーデン マナーハウス内

TEL: 0267-41-6973

席数39席
店内30席
バルコニー9席


営業時間:10:00〜17:00 (L.O.16:00)
定休日:火曜
Instagram: elevenses_tea