ヨゼフ・ウィルコンの作品に惹かれたのは、
ファンタジーという言葉よりも先に、
自然と向き合う誠実なまなざしを感じたからでした。
山の中で生まれた彼の描く世界には、
強さと弱さが対立することなく、
ただ同じ場所に在るという感覚があります。
動物たちは、どこか人の感情を映したような佇まいで、
自然の一部でありながら、私たちに寄り添う存在として描かれています。
そこにあるのは、作為のないあたたかさ。
今季のコレクションでは、
花も虫も動物も人も、
それぞれが距離を保ちながら、静かに共存する情景を
装いへと落とし込みました。
共に生きることのよろこび。
自然の中で息づく、穏やかな気配。
この服が、日々の暮らしの中で
そんな感覚をそっと思い出させる存在になればと願っています。
中山 路子