vol.93 2024 SPRING SUMMER COLLECTION - COLLECTION INSPIRATION-

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MUVEIL MAGAZINE
vol.93
2024 SPRING SUMMER COLLECTION

COLLECTION INSPIRATION
海の住人達に想いを馳せて


アザラシの妖精・セルキーをテーマとし、海中の美しい景色をワードローブに落とし込んだ
2024 SPRING SUMMER COLLECTION。
MUVEIL MAGAZINE vol.93では、コレクションのインスピレーション源となった
ファンタジーなアニメーション作品をご紹介します。

セルキーが登場する映画はいくつかございますが、今回ご紹介するのはトム・ムーア監督の『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』。アカデミー賞長編アニメ映画賞にもノミネートされ、日本では2016年に公開されたアイルランドのアニメーション作品です。

アニメーションと言ってもけっして子ども向けではなく、ストーリーや映像のクオリティーの高さから大人が楽しめる作品。

まるで古い絵本を広げたような映像美で、人間と自然が織りなす複雑な関係性を、ケルトの神話を交えながら描いていきます。

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舞台は海に囲まれた小さな島。話すことができない女の子・シアーシャとその兄・ベンが母を探しに旅に出るお話しです。

父親とともに生活する兄妹の母はシアーシャが生まれた日に姿を消してしまっていました。妹のせいで母がいなくなってしまったと考え、ついつい彼女に意地悪をしてしまうベン。そんなある日、シアーシャは不思議な光に導かれ、あるコートを見つけて海へと入っていきました。そのコートは、セルキーが海に潜るために必要とする大切なもの。実は、行方不明になっている彼らの母親はアザラシの妖精・セルキーであり、その秘密を父親が隠していました。見つけられてしまったことで同じ悲劇が繰り返されることを恐れた父は、コートを海に投げ捨て、兄妹を祖母のいる町へ連れて行ってします。居心地の悪い祖母の家から抜け出し、自宅へ帰ろうとする幼い兄妹。さまざまな苦難に満ちながらも自分たちのルーツを紐解く大冒険のはじまりでした。

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兄妹の旅路の途中には彼らを邪魔する魔女や妖精たちも登場しますが絶対悪ではない存在であったり、緻密なストーリーテーリングと美しいアイルランドの民謡であっという間にのめり込んでしまいます。

そして特筆すべきはその映像の美しさ。CGが主流となっていますが、懐かしさを感じる2Dの味わいとハンドタッチを感じるアニメーションは、アニメ制作スタジオ「カートゥーン・サルーン」の特徴でもあります。

「カートゥーン・サルーン」とは、トム・ムーア監督が大学のアニメーション学科の同級生だったポール・ヤング、ノラ・トゥーミーの3人で設立したスタジオで、ポスト・ジブリスタジオと評されています。
主にアイルランドに伝わる文化や歴史、民話、伝説を題材とし、豊かな表現力と芸術性の高い作品を数多く手がけてきました。 同監督の『ブレンダンとケルズの冒険』『ウルフウォーカー』もケルト文化を堪能できるアニメーションとしておススメです。

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心の奥底まで沁みるケルト民謡に包まれた幻想的なおとぎ話で癒されてみるのは如何でしょうか。

MUVEIL MAGAZINE vol.93はここまで。
今回はMUVEIL 2024 SPRING SUMMER のインスピレーション源となった作品をご紹介しました。コレクションの説明については、MUVEIL MAGAZINE vol.89でご紹介しております。

最後までお読みいただきありがとうございました。

2024.04